8月8日頃 ~ 11月6日頃 ( 8月の立秋 から 11月の立冬前日まで )
含まれる節季:立秋(りっしゅう)、処暑(しょしょ)、白露(はくろ)、秋分(しゅうぶん)、寒露(かんろ)、霜降(そうこう) 二十四節季(下記※1)赤字=秋の前半 (温燥 おんそう) 青字=秋の後半 (涼燥 りょうそう)
夏の暑さから段々と涼しくなって、冬に向かっていくこの時期は、天地の気が引き締まって澄み渡り、すべてのものが収斂(しゅうれん=引き締まる)してきます。食物の収穫時期でもあり(食物=味は陰に属する)、自然界は陽から陰が盛んとなる時期へと変化していきます。
人の身体も陽が少なくなって、陰が増えていく時期であり、身体もこれから来る冬に備えて温存する時期となっていきます。
秋に入り涼しい気候になると、空気が乾燥してきます。秋の前半にはまだ残暑があり、それに加えて秋の乾燥が入って来ます(温燥 おんそう)。秋の後半になると、乾燥に加え冬に近くなるので寒気も入ってきます(涼燥 りょうそう)。
秋は、肺の機能が盛んになる季節です。肺に入りやすい(助ける)味は「辛味」です。肺は乾燥に弱く、潤っている状態を好みます。その事から、秋の乾燥は肺にとって嫌うところでもあります。
秋は早く寝て早く起き、肺を養う事が重要となります。
秋の前半 (温燥 おんそう) 立秋(りっしゅう)8/8頃 ~ 白露(はくろ)の終わり9/22頃迄
この季節に影響されて表れる症状は「熱性」に偏っていることが多いので、「涼性」の食材を摂ると良いです。まだ、夏の残暑が残る時期なので、合わせて熱をとる「苦味」や暑さで疲れた胃を養う「甘味」の食材も良いでしょう。
秋の前半に用いると良い食材~きゅうり、トマト、豆腐、林檎、柿、びわ、梨 など
中薬~麦門冬(ばくもんとう)、百合根(ゆりね)、川貝母(せんばいも)、西洋参(アメリカ人参)
秋の後半 (涼燥 りょうそう) 秋分(しゅうぶん)9/23頃 ~ 霜降(そうこう)の終わり11/7頃迄
この季節に影響されて表れる症状は「寒性」に偏っていることが多いので、「温性」の食材を摂ると良いです。秋分を過ぎた頃から寒気が入り秋の乾燥も加えて大分秋らしい気候となります。皮膚や毛髪の乾燥も目立ち始めるこの時期は、特に肺を養うことを気にかけて肺に入りやすい味である「辛味」を摂ると良いでしょう。秋から冬にかけて身体は温存のしようとしていますから、収斂(引き締め)作用のある「酸味」も良いでしょう。
秋の後半に用いると良い食材~糯米(もち米)、生姜、ネギ、黒ごま、胡桃(くるみ)、鶏肉、梅 など
中薬~吉林人参、杏仁(きょうにん)、五味子(ごみし) 黄耆(おうぎ) など
秋に共通して良い食材 → 粳米(普通のご飯に用いられるお米)、白ごま、牛乳、卵、貝類、白きくらげ、蜂蜜 など
中薬 → 枸杞子(クコの実) 党参 など
秋の養生のテーマ:「肺を潤す」「胃を養う」「陰を養う」を意識すると良いです。
※1 二十四節季(にじゅうしせっき) ~ 太陽が地球を一周する日数を二十四等分にし、その分けた時期に季節の特徴を表す名前を付けたもの。古代中国で農作業の目安として使われ、季節をよりわかりやすくするよう作られました。
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