季節の薬膳の特徴「夏」

中医学・薬膳の話

5月5日頃 ~ 8月7日頃 ( 5月の立夏 から 8月の立秋前日まで )

含まれる節季:立夏(りっか) 小満(しょうまん) 芒種(ぼうしゅ) 夏至(げし) 小暑(しょうしょ) 大暑(たいしょ) 二十四節季(下記※1)

 夏は暑く、雨の多い季節でもあります。外界では植物や花が成長し実をつけ、最も陽気が旺盛な季節です。身体もそれに合わせて陽気旺盛になり消耗しやすくなるので、意識して身体を休ませ健康を気遣いましょう。

 夏は暑さで汗と心拍数が多くなり、心の機能が盛んになる季節です。

 その心の気に通じる(助ける)味は「苦味」ですが、苦味は体内のものを外に排出する効果がある為(体質が強壮な人に用いるか、もしくは体内にあるものを排出する目的で使う)、特に虚弱な方はすべての季節を通して摂り過ぎには注意した方が良いでしょう。

 苦味は熱や水、老廃物など余分なものを取り除く、物を下におろす(消化作用)、固める・乾燥させるなどの効果があります。

 そして、心の働きを養う効果がある味として塩味もあります。酸味は引き締め汗を止める効果を期待できます。

 夏は心に負担をかけないよう、怒らず穏やかに過ごすことを心掛けたいものです。

 夏は暑さで気が消耗しやすいので、あまり激しい運動は控えましょう。できることなら、お昼寝がおすすめです。

 日が沈むのが遅く、日の出が早い季節なので、身体からすると割と夜更かしをしても大丈夫な季節でもあります。遅く寝ても太陽と共に早く起きる事が大切となります。

 注意:暑いからといって冷たい食べ物ばかりを摂り過ぎないように気を付けましょう。冷たい物ばかり食べていると、消化機能を司る脾や胃を傷つけてしまい、身体を冷やしてしまう結果となります。

 夏は暑く、食べ物の傷みが早いので、食中毒にも気を付けたほうが良い季節です。

 夏は「暑邪」にもかかりやすい季節となっています。

夏の養生のテーマ: 心 と 暑熱 を意識すると良いです。

夏に用いると良い食材

 熱を取る食材:薄荷、白菜、セロリ、すいか、バナナ、林檎、キウイフルーツ、レタス、茶葉(緑茶)、梨。

 熱を取り、解毒作用もある食材:トマト、きゅうり、こんにゃく、豆腐。

 心を養い、精神・情緒を安定させる食材:小麦粉、牛乳、卵、百合根。

※1 二十四節季(にじゅうしせっき) ~ 太陽が地球を一周する日数を二十四等分にし、その分けた時期に季節の特徴を表す名前を付けたもの。古代中国で農作業の目安として使われ、季節をよりわかりやすくするよう作られました。

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