秋の空気が乾いてくると、喉や肺が少しカサついたり、咳が出やすくなったりします。このような季節に紹介したいのが今回の煮物です。
白きくらげが肺をうるおし、痰を出しやすくしてくれます。大根と蓮根は気の巡りを整え、胸のつかえやお腹の重さをやわらげてくれます。陳皮の香りが加わることで、呼吸もすっきりと軽く感じられます。
消化の働きも助けてくれる組み合わせなので、食後のもたれや胃の違和感が気になるときにもおすすめです。温かく煮ることで体にじんわりと染み込み、秋のからだを整えてくれる一品です。
作用(立法):宣発降気 (肺気を体表を通じて発散させ、気を下へ降ろす=肺気を安定させる)・化痰止咳(痰を取り除き、咳を鎮める)
<効能>
◎ 肺の気を整え、呼吸をスムーズにする。(呼吸器の調子を整える)
◎ 痰を取り除き、咳を和らげる。(咳や痰の症状を改善)
◎ 胸腹の詰まりを緩め、消化を助ける。(胸の詰まりや胃もたれの軽減)
◎ 秋の乾燥や喉の潤い不足を補う。(秋の乾燥で起こりやすい喉のイガイガ、空咳の予防)
材料:(3人分)
白きくらげ(乾燥)・・・5g
大根・・・300g(中サイズ1/3本)
蓮根・・・150g
陳皮(乾燥みかん皮)・・・3g(※柚子皮でも代用可。柚子皮・・・1片)
水・・・400ml
塩・・・小さじ1/2
蜂蜜・・・小さじ1
食薬の効能
| 白きくらげ(白銀耳) | 滋陰潤肺(陰液を養い、肺を潤す)・養胃生津(胃を養い、体液を生じさせる)。平・甘・淡。 |
| 大根 | 順気消食(肺や胃腸の気の流れを整えて、消化を助ける)・下気寛中(気を下ろして、胸腹の詰まりを緩める)・清化熱痰(熱による痰を清めて取り除く)・散瘀止血(血の滞り=瘀血を散らし、出血を止める)。涼・辛・甘。 |
| 陳皮 | 理気燥湿(気の巡りを良くして、湿を乾かす)・調中健脾(胃腸を調え、脾を健やかにする)・化痰(痰を取り除く)。温・辛・苦。 |
| 蓮根 | 健脾開胃(脾胃を健やかにし、食欲を高める)・養血生肌(血を養い、肌や組織の回復を助ける)・止瀉(下痢を止める)。寒・甘。 |
| 蜂蜜 | 気を補う(疲れ、食欲不振、風邪予防)・肺と腸を潤す(空咳・慢性咳・便秘・貧血を改善)・痛みを止める・解毒。平・甘。 |
作り方
① 下ごしらえ
1.白きくらげ ~ たっぷりの水に1〜2時間浸して戻し、流水でサッと洗って硬い芯を切り落とし、食べやすい大きさにカットします。
2.大根 ~ 2㎝程の半月切りにします。
3.蓮根 ~ 1㎝程の半月切りにします。
② 鍋に水400mlと大根と蓮根を入れ、中火で煮立たせます。
③ 沸騰したら落としフタをして弱火にし、15分程煮ます。(野菜が少し柔らかくなるまで)
④ 白きくらげを加え、さらに5~7分煮ます。
⑤ 柔らかくなったら陳皮・塩・蜂蜜を加え、弱火で2〜3分煮ます。
⑥ 陳皮の香りが立ったら火を止めます。

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