白きくらげの茶碗蒸し

秋レシピ

 白きくらげは「潤い食材」として知られ、肺をやさしく潤し、乾燥による咳や肌荒れを和らげる薬膳食材です。秋から冬にかけては空気が乾燥し、呼吸器やお肌もダメージを受けやすい時期ですが、この季節に、体の内側から潤いを届けてくれる白きくらげを取り入れると、秋の養生としてとても良いです。

 また、干し椎茸の戻し汁を使うことで自然な旨みが生まれ、出汁を特別に用意しなくても深い味わいが楽しめます。卵のやさしい口当たりと重なり、身体をほっと落ち着かせてくれる温かな秋の料理です。

作用(立法):滋陰清肺じいんせいはい (陰を養い、肺を清める)

<効能>
◎ 体に潤いを与え、肌や喉の乾燥を防ぐ。
◎ 気血を補い、疲れにくい体を作る。
◎ 胃腸の働きを助け、消化を助ける。
◎ 免疫力を高め、季節の変わり目の不調を予防。

材料:(3人分)
白きくらげ・・・3g
鶏ささみ・・・1本 (50~80g程)
銀杏ぎんなん(水煮)・・・9~12粒(1人3~4粒)
干し椎茸しいたけ・・・2~3枚
卵・・・2個
ダシ汁(干し椎茸の戻し汁を使用)・・・300ml
塩・・・小さじ1/3
醤油・・・小さじ1

食薬の効能

白きくらげ(白銀耳はくぎんじ) 滋陰潤肺じいんじゅんぱい(陰液を養い、肺を潤す)・養胃生津よういしょうしん(胃を養い、体液を生じさせる)。平・甘・淡。
鶏肉温中補脾おんちゅうほひ(胃腸を温めて消化吸収を助ける)・益気養血えっきようけつ(気力を補い、血を養う)・補腎益精ほじんえきせい(腎の働きを補い、精力や生命力を高める)。温・甘。
銀杏 斂肺化痰定喘れんぱいかたんていぜん(肺をおさめ、痰を除き、咳やぜんそくを落ち着かせる)・収渋止帯縮尿しゅうじゅうしたいしゅくにょう(体の余分な排出を引きしめて抑え、帯下<おりもの>を止め、尿漏れを防ぐ)。平・甘・苦・渋。
椎茸益胃気えきいき(胃腸の働きを高め、消化吸収を助ける)・托痘瘡たくとうそう(皮膚の回復を促し、発疹・吹き出物などの治りを助ける)・止血(出血を抑える作用がある)。平・甘。
滋陰潤燥じいんじゅんそう(陰を滋養し、乾きを潤す)・養血安神ようけつあんしん(血を養い、精神を安定させる)。体の潤いと血を補う・精神を落ち着け眠りを助ける。平・甘。

作り方

① 下ごしらえ

1.干し椎茸

・干し椎茸を流水で洗い、表面のホコリや汚れを落とします。
・ ボウルに水を300ml程入れ(椎茸1枚あたり100~150mlが目安です)、干し椎茸を浸します。椎茸の大きさによって水の量を調整してください。
・ラップをして冷蔵庫に入れ、6〜12時間ほどかけて戻します。
・戻した後は、椎茸を軽く絞って使います。※戻し汁は旨みたっぷりなので、いろいろな料理に活用できます。
・干し椎茸は薄切りにします。

2.乾燥白きくらげ
・たっぷりの水に1〜2時間浸して戻します。
・戻した後、流水で白きくらげをサッと洗って、硬い芯を切り落とします。
・食べやすい大きさにカットします。

② 鶏ささみは筋を取り(フォークを使うと取りやすいです)、そぎ切りにします。

③ 卵を溶きほぐし、ダシ汁・塩・醤油を加えて混ぜます。※強く混ぜすぎると泡立ってしまいますので優しく混ぜます。泡立ってしまった場合は、表面をキッチンペーパーで当てると泡が吸い取れます。

④ 耐熱器に白きくらげ・鶏ささみ・干し椎茸・銀杏を入れ、卵液を注ぎます。※より滑らかに仕上げたい場合は卵液をザルで濾してください。
  器にアルミホイル被せます(蒸気の水滴が卵液に落ちて、表面がぼこぼこにならないため)。

⑤ フライパンに水を入れ沸騰させます(水位は底から1㎝程)。

⑥ 沸騰後、中火に落とし茶碗蒸しの入った容器を並べ、フライパンにフタをします。

⑦ 弱火に落とし10~15分そのまま蒸します。

⑧ 火を止めて、5分ほど余熱で仕上げます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました