瘀血(おけつ)

中医学・薬膳の話

瘀血(おけつ)とは

 瘀血おけつとは、血流が滞り、身体全体に栄養素を巡らせることが出来なくなっている状態を指します。原因としては、血液の粘度が高い事と血管の状態が良くない事が挙げられます。瘀血おけつになる中医学的な原因は「気滞」「血虚」「冷え」です。瘀血おけつを悪化させると脳梗塞や心筋梗塞やがんに繋がりますので、生活の中で瘀血おけつ体質の方は、ストレスにならない様に、無理をせずゆっくりとした長期的な体質改善を実践していくと良いです。

 ※中医学では 瘀血おけつ と 血瘀けつお を区別して使います。「瘀血」は症状そのもの(血腫、血流の悪さなど)、「血」はその症状からくる病的な状態のことを指します。日本では「瘀血」に統一されています。ここでは「瘀血」に統一して使います。

瘀血の特徴

・顔色が悪い。
・目の下にクマがある。
・シミ、そばかす、アザができやすい。
・肩こり。
・慢性的な頭痛。
・手足の先が冷えやすい。
・生理痛が強い。
・生理の経血の色が黒い・塊が混ざる。
・舌の色が紫っぽい。
・舌裏の2本の静脈が青く太く張って浮き出ている。
・手の平に赤い斑点ができやすい。
・体に痛みがある場合、刺すような痛み。

瘀血の原因

中医学的な瘀血おけつの「原因」

気滞きたい (気の流れの滞り)
 気は血をのせて身体を巡り、相互関係にあります。これを気血同行と言います。気が滞ると血を身体に巡らせることが出来なくなります。

血虚けっきょ (血の不足)
 血量が不足することによって、おのずと血の流れも悪くなります。(物理的に水は流れる量が少ないと滞ってしまいます。)

③ 冷え
 血流は、冷やすと流れが悪くなり、温めると流れが良くなります。これは、これは、冷やすと血管が収縮して血流が悪くなり(毛細血管など隅々に血を届けることができなくなる)、温めると血管が拡張して血行が良くなる為です。

 これらの原因を改善していくことが大事です。

瘀血の改善

 瘀血おけつの改善として、血をサラサラにしたり、流れを良くすることも大事ですが、原因を解消しなければ同じ状態に戻ってしまいますので、それぞれの原因を解消していくことが大事と言えます。

 基本的に血行を良くすることが一番なので、運動・入浴・マッサージなどの血行に良い習慣を生活に取り入れると良いです。

 ※中医学的な原因の詳細・改善については別の記事で書いて行こうと思います。

瘀血に良い食事

☆☆ポイント☆☆
・「熱性」「温性」「辛味」の食材を選ぶ。
・脂肪の多い食材を控える。(バター・肉の脂身など)
・香辛料を加える。

☆瘀血に良い食材・中薬☆☆

食材中薬
青梗菜ちんげんさい
茄子なす
・酢
・酒
・玉葱
柑橘かんきつ
蕎麦そば
・ジャスミン
・ニラ
・ラッキョウ
生姜しょうが
紫蘇しそ
肉桂にっけい(シナモン)
慈姑くわい
姜黄きょうおう(ターメリック)
・ウコン
川芎せんきゅう
紅花こうか(ベニバナ)
桃仁とうにん
牛膝ごしつ
丹仁たんじん 
莪朮がじゅつ
鶏血藤けいけっとう
益母草やくもそう

瘀血の漢方

 瘀血おけつの改善に用いられる漢方薬では、活血剤(日本では駆瘀血剤くおけつざいと呼ばれるが多い)を用います。血流をよくする内容の漢方薬です。

注意1※血の不足からくる血虚けっきょが原因の瘀血おけつの場合は、更に血虚が悪化してしまうので使用しないでください。(血は動くことで、減少する作用もある為)

注意2※当帰芍薬散とうきしゃくやくさん以外の以下の薬剤は、構成生薬に強力な活血作用がある破血はけつ薬「桃仁とうにん紅花こうか」が使われている為、妊娠中は服用しないで下さい。流産の恐れがあるので、妊婦は禁忌きんきです。

・桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん)
・桃核承気湯 (とうかくじょうきとう)
・通導散 (つうどうさん)
・血府逐湯 (けっぷちくおとう)
・当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) ←妊娠中で安心して服用できます。

<広告>
すごくおいしいフルーツ青汁 GOKURICH
通快麗茶
ご愛用者300万突破!国産桑の葉茶「糖煎坊」

<Link>

ZYM ORGANIC 持続可能な社会と、豊かでオーガニックな暮らしを提案するウェブメディア

コメント

タイトルとURLをコピーしました